2019年1月26日(土) 石川充先生 保護者対応記録

一食を大量に食べているわけではないのですが、起きているうち何かしら食べている状況です。現在7歳で体重が40キロです。生まれた時から病気があり、心臓や鎖肛の手術も受けています。今後の生活で気をつけた方がいい事はありますか?

歌舞伎症候群は顔を見れば分かります。特に目つきで分かります。指の形も特徴的です。割合は3万人に一人くらいで、養護学校でも気づかれてないケースがあります。 身長が伸びる時に十分注意し、普段の姿勢や、筋力をつけること、体幹を鍛え、バランスをとるようにするといいです。歌舞伎症候群が判明した時点で発達障害を疑った方がいいです。
※歌舞伎症候群とは・・・  発達の遅れや筋骨格の異常を伴う指定難病の一つで、顔貌の特徴が歌舞伎の化粧法の隈取りと似ていることからこの名前が付けられている。遺伝子の異常で種々の合併症が見られ、治療は対症療法です。

言葉の意味は理解しているのですが、それを声に出して表現することが苦手です。親としてどのように対処したらいいでしょうか?

語尾に適切な言葉が見つからず伝え切れない部分を親が上手に引き出してあげることが大事です。「本当はこうしてほしかったのね?」「こうした方がいいよ」「~してくれてありがとう」など声に出して伝えるといいです。女の子は3歳になると母と何でも話せる関係になりますが、発達障害の子は2~3歳遅れてきます。我慢し続けるとため込んでしまうので、感情の表出をうながしてあげるといいでしょう。

人懐こい性格なので、学校ではうまくやっているようです。ただその反動なのか家では母に辛く当たることがあります。どうしたらいいですか?。

学校でのストレスを家で発散しているのでしょう。暴力的な行為でなければ無理に止めさせなくてもいいと思います。

周りの大声を怖がります。来年度のクラス編成では学校への配慮はどのようにお願いしたらいいですか?

それは、配慮が必要です。周りが騒がしいと集中が途切れる子は、多動の子と一緒のクラスにはしない方がいいです。元気のいい子がそばにいると怖気ついてしまいます。「合理的配慮」で学校側も調整してくれるはずです。

テレビなど映像が好きではないようです。

情緒面を育むには映像を活用するより、絵本などが読み聞かせが有効です。読んであげる時は、「むか~し、むか~し」など感情を込めるとより効果的です。

言葉は出ませんが興奮すると声のトーンが高くなります。遊びの中での感情の表出はあります。

(恐竜のフィギュアで遊んでいる様子を見ながら)こうした人形遊びでも感情を出せているのでいい遊び方だと思います。

言葉が出てこない原因はどこにあるのでしょうか?

聴覚は問題ないようですが言葉だけが出ていない状態ですね。脳のネットワークの問題ではないかと思われます。中低音の音が口に響く訓練をして、音を体験させてみるといいです。例えば、太いストローの先に弁みたいなものをつけて低い音を感覚的に覚えさせます。「あわあわあわ・・・ぱっぱっぱっぱ・・・」などと発音させ、外から唇を触って、きちんと振動しているか確認しながら進めてみてください。    コミュニケーションはとれているので自閉症ではないようですが、自閉症の子への言葉の教え方でいいと思います。    口の形を目で見て覚える訓練も効果があると思います。「あ」の形の口元の絵をみせて口を「あ」の形にする練習をします。その場合は対面で行ってください。    言葉を教える時に む・か・し、む・か・しなど、一文字切って手をたたいて話すと音の数を意識できるようになります。

文字を覚えさせたいのですが、どのように覚えさせたらいいでしょう?

文字は画像で覚えさせるのが効果的です。キリンの人形に「きりん」と書いておきます。声にして「キリン」と言えばキリンを選びますが、その後に「きりん」という文字だけを見せてキリンを選ぶ練習をします。音声として理解すると同時に言葉で理解する事も大事です。感覚的に覚えさせるといいでしょう。